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福田 朱里; 幸塚 麻理子*; 今野 祐多*; 青才 大介; 萩原 大樹; 水野 崇; 鈴木 庸平*
no journal, ,
深部地下環境には微生物が生息しており、その地下微生物の生理学的・系統学的多様性は地下水の地球化学環境に依存して変化する。瑞浪超深地層研究所における深度99mから1169mの深部花崗岩中の地下水の地球化学的特性に微生物が与える影響を定量的に評価するため、さまざまな好気及び嫌気的代謝活動を高感度に測定する手法を開発した。地下水のろ過により微生物細胞を約30倍に濃縮し、電子受容体とともに培養を行ったところ、好気呼吸活性は深度99mと175mにおいて400umol/L/year以上で、深くなるにつれ減少し、深度1169mで36umol/L/yearだった。硝酸還元活性は深度99mから308mにおいて増加した(4.3から37umol/L/year)が、それより深くなるにつれ減少し、深度1169mで0.20umol/L/yearだった。硫酸還元活性は1.4から3.2umol/L/yearの値で、深度200m以浅でしか検出されなかった。地下水系において酸素と硝酸が欠乏し、深度に伴い硫酸が緩やかに減少する理由として、本研究で求めた活性速度で行われている微生物代謝活動の影響が考えられる。本研究の予算の一部は、原子力安全・保安院の受託研究費を用いた。